7000万円級「アストンの頂点」はどんなものか? V型12気筒搭載「ヴァンキッシュ」の出来栄え

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しばらく途絶えていた「ヴァンキッシュ」の名を持つモデルが復活した(写真:Aston Martin Lagonda)

V12ツインターボを搭載して登場したアストンマーティンのトップモデル、「ヴァンキッシュ」に試乗した。この時代に12気筒エンジンを新設計するという、大胆な製品戦略も注目に値する1台だ。

5204ccの排気量を持つ新設計のV型12気筒エンジンは、前輪の軸より後に“フロントミッドシップ”され、最高出力614kW(835ps)と最大トルク1000Nmを発揮する。

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「いまさら12気筒と驚かれたかもしれません。しかし、アストンマーティンのイメージを勘案すれば、“エモーショナルな魅力で12気筒に勝るものはない”と新たに開発しました」

そう語るのは、製品企画に携わったディレクター・オブ・ストラテジー&プロダクトのアレックス・ロング氏だ。

アストンマーティンの12気筒モデルといえば、2018年に登場し、2024年まで生産された「DBS」がある。こちらも同じ5.2リッターで、最高出力と最大トルクは、もっとも高性能な「DBS 770アルティメット」で566kW(770PS)と900Nm。ヴァンキッシュは、それよりもさらにパワフルになっている。

アストンマーティンの量販車で最速をうたい、最高速度は345km/h(214mph)と発表される(写真:Aston Martin Lagonda)
アストンマーティンの量販車で最速をうたい、最高速度は345km/h(214mph)と発表される(写真:Aston Martin Lagonda)

GT(グランツーリスモ)であること

3代目となる新型ヴァンキッシュのメディア向け試乗会が開催されたのは、10月のイタリア・サルデーニャ島。地中海に浮かぶリゾートとして人気なだけに、飛行機の中継地として使ったパリが10℃そこそこの気温だったのに対して、20℃を超える心地よい気候であった。

とはいえ、観光地としてはオフシーズン。「ハイシーズン中は交通が動かない」とオルビア空港からホテルまでの運転手を務めてくれた現地の若者が言っていたが、道路は閑散としている。

マリーナのような光景がヴァンキッシュには似合う(写真:Aston Martin Lagonda)
マリーナのような光景がヴァンキッシュには似合う(写真:Aston Martin Lagonda)

それもアストンマーティンの狙いだったのだろう。「一般道、高速道路、山道、あらゆるシチュエーションでヴァンキッシュに乗ってほしい」と、イギリス本国からやって来ていたアストンマーティンの担当者は言っていた。

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