7000万円級「アストンの頂点」はどんなものか? V型12気筒搭載「ヴァンキッシュ」の出来栄え

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ヴァンキッシュはGT(グランツーリスモ)であると、アストンマーティンでは言う。「洗練された快適性、スーパーカーと呼べる性能、正確な操縦性」を特徴に挙げるのと同時に、美しいスタイルと贅沢に仕上げた内装も“持ち味”だとする。

「実際にヴァンキッシュを見れば、このクルマは速いとすぐわかってもらえるでしょう」と、チーフクリエイティブオフィサーという肩書を持つマレク・ライヒマン氏は語る。

ヴァンキッシュは、DBSのプラットフォームをベースにさまざまな手を入れている。特に、Aピラーの付け根から前車軸のあいだを80mm延ばしたことが、大きな変更点だ。

ドアのパーティションラインと前車軸の距離は長いオープニング(写真:Aston Martin Lagonda)
ドアのパーティションラインと前車軸の距離は長いオープニング(写真:Aston Martin Lagonda)

おもしろいのは、「エンジンの搭載位置を調整して、理想的な前後重量配分を追求したため」とデザイナーが言えば、一方で「美しいプロポーションを実現するために協力した」とエンジニアが言っていることだ。お互いの立場を勘案しながら、作りあげたクルマなのだという。

いずれにしても、ヴァンキッシュで強調されているのは、プロポーションだ。美しさのためのポイントはふたつあり、ボディと車輪とキャビンの位置関係を最適化したことが、ひとつ。もうひとつは、側面から見たときのバランス。キャビンを3分の1、その下の車体を3分の2の配分にしていることだという。

ボディサイズは全長4850×全幅1980×全高1290mm(写真:Aston Martin Lagonda)
ボディサイズは全長4850×全幅1980×全高1290mm(写真:Aston Martin Lagonda)

12気筒エンジンを搭載するロングノーズを作り、それがアンバランスに見えないように全体のボディをデザインする。「それがアストンマーティンにふさわしいエレガントな雰囲気を生み出しています」とライヒマン氏は強調している。

エレガントなボディの中身は、しかし、スポーツドライビングもしっかり視野に入れた、凝ったものだ。

12気筒が生み出す音色とバイブレーション

「DB12」で初採用したスカイフックテクノロジー採用のビルシュタイン「DTX」ダンパー、状況に応じて作動する電子制御リミテッド・スリップ・ディファレンシャル「e-デフ」、DB12のほか「ヴァンテージ」にも搭載されたエレクトロニック・スタビリティコントロールなどを装備する。

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