1億2890万円のエクストリーム(究極)な「アストンマーティン」は誰のためのどんなクルマか?

アストンマーティンの日本代理店「アストンマーティン東京」は、2025年5月に新型車「ヴァルハラ」を公開した。
「レッドブル・レーシング」と共同開発したエンジンを搭載し、エクストリーム(究極の)スーパーカーを標榜する限定生産モデルだ。

F1のコンストラクターと共同開発したエンジン、ミドシップレイアウト、プラグインハイブリッド・システム、電気モーターとEデフが組み込まれたデュアル・クラッチ・ギアボックス……と、初めてづくし。
モーターを搭載したのは「性能のため」という。最高出力は793kWに達し、最高速は時速350km(以上)。
発売まで6年もの歳月を要したワケ
私が最初にプロトタイプを見たのは、2019年のスイス・ジュネーブで行われた自動車ショーの会場だ。
そのときは「まもなく限定で生産します」とのことだったが、「ほぼ量産車」にお目にかかるまでに、丸6年がかかった。なんでそんなに時間がかかったのだろう。
「アストンマーティン・ラゴンダ(本社)のオーナーや経営陣が交代し、同じ時期にCOVID19(新型コロナウイルス感染症)の蔓延があり、開発が停滞したためです。その後、性能向上のために再設計を行いました」
青山で「世界に先駆けて」公開されたというほぼ量産型のヴァルハラを前に、アストンマーティンのサム・ベネッツ氏は説明を行った。

同氏は「ヘッド・オブ・Q・スペシャルプロジェクトセールス」なる肩書を持つ人物。
「Q」とはアストンマーティンが顧客のために展開するビスポーク(特注)サービスの名称だ。
ご察しのとおり、ジェームズ・ボンドの「007」シリーズに登場して特別な装備を用意してくれる「Q」(Quartemaster=部品調達将校)にひっかけている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら