「いつもポジティブ」は、本当に賢明なことか ネガティブを肯定する「一人時間」のススメ

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「うつの薬が手放せない」とカウンセリングに来る人の多くが、「憂鬱な気分でいっぱいになり、身体が重く起き上がれない」「どうしてもマイナスのことを考えてしまい不安になる」「何をしても楽しさを感じられない」というような言葉を口にします。

その頻度を聞くと、毎日のように苦しんでいる人も多いですが、中には、「数か月に1度程度」と応える人も少なくありません。「数か月に一度!? それなら私はもっと頻繁にあるよ!」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

誰だって生きていれば、嫌なことがあったり、何らかの悩みを抱えるのは当然のこと。人間ですから、体調不良の時だってあります。それなのに憂鬱や不安などのネガティブ感情を持つことはよくないこと、さらには、「病気」ととらえる風潮があるように、最近強く感じます。

ネガティブ感情にそっと寄り添う

しかし、そんなことは決してありません。喜怒哀楽の感情は、どれも大切な気持ちであり、どれが欠けてもバランスを欠くことになってしまうのです。むしろ無理やりにポジティブな自分を演じてしまうために、かえって本来の自分の気持ちとのギャップに苦しむことになり、心に負担がかかり、さらには心身に不調を来すことになるのです。

本当のポジティブ思考とは、ネガティブな気持ちを無理やりポジティブにしようというものではないのです。

それでは、自然と嫌な気持ちから自分を解放するにはどうしたらいいのでしょう? ここでは、簡単な方法を一つお伝えしたと思います。

実はそれは、嫌な気分にどっぷり浸ることなのです。人は、「こんなこと考えてちゃ駄目だ!」「もっとポジティブにいけないと!」と、嫌なことを忘れよう、考えないようにしようと思えば思うほど、反対にその感情にとらわれていってしまう傾向があるからです。

そこで、心の傷を無視し、考えないように頑張るのではなく、あえてその傷をじっと見つめる。それこそが、回復を早めるポイントです。

じっくりと感情を見つめる方法としては、自分のネガティブな気持ちを紙に書きだしてみるのもよいでしょう。その時の大切なポイントは、湧き上がってくる感情にただ素直に向き合うということです。無視をしたり、追い出そうとしたりしてはいけません。「辛いな」「悲しいな」「苦しいな」というあなたの気持ちに、そっと寄り添うだけ。

無理やり分析をしたり、乗り越える必要もありません。じっと向き合ってみると、不思議と辛さや悲しみは、自然と小さくなって、徐々に消えていくような感覚を得られるでしょう。

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