借金9億円を返済した2代目社長のすごい手腕 アウェーの中で社内改革を進めた工夫とは

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私はおかしいと思いました。X社にはx、Y社にはy、Z社にはzの伝票を書かないといけないというのならまだわかります。けれど、内容が同じであれば、パソコンで請求先だけ変えればいいことです。

私がおかしいと思うことを指摘していくと、ほとんどの場合「以前からこうしてきたから」という言葉が社員から返ってきました。これは何十年も続いている会社にはよくあることです。

こういうときには、私は「目的は何?」と聞いて、相手が答えたら「その目的はこの方法でも達成できるよね?」と話して改革していきました。

でも、最初はやり方を変えることをみんな嫌がります。やり方を変えると、新しい方法を覚えなければならず、手間がかかるし、面倒だからです。

中央シャッター 横引シャッター
多くのベテラン社員が会社を支えている(撮影:ミヤジシンゴ)

成功体験が改革の足かせになることも

そういうときは先代の社長の力を借りていました。例えば、こういう感じです。

昔からいる年配の女性の経理部員がどうしてもやり方を変えることに同意しません。そこで私は策を練りました。

経理部長が先代から厳しめに怒られている場面をつくります。それを黙って隣でその女性の経理部員に聞いてもらいます。最後に経理部長が「今度からこういうふうにやるから、いいね?」というと、素直に「わかりました」と言うのです。

経理部員は自分が怒られていないからこそやらないわけにいかなくなるのです。落としどころをつくっておいて、そちらへ誘導していくわけです。

女性のベテラン社員たちにはこの方法をよくやりました。彼女たちはダイレクトに怒られるとプライドがあるから従わないけれど、人が怒られているのを見ると申し訳ないと思うようです。

私と先代と経理部長はいつも一緒に昼食を食べて、そんな作戦会議をしていて、経理部長にはよく怒られ役をしてもらっていました。

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