中国で若い世代の「多重債務者」が増加する深刻 個人向けローンの不良債権比率が上昇の一途

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中国の金融機関は個人向けローンを積極拡大してきたが…。写真は国有準大手の中信銀行が提供する個人向け無担保消費ローンの広告(同行のウェブサイトより)

中国で「80后」「90后」(訳注:1980年代、1990年代生まれ)と呼ばれる若い世代が、多重債務に苦しむケースが増加している。

最近30歳になったばかりの李剛さん(仮名)は、つい数年前まで借金とは無縁の生活を送っていた。しかし2022年、勤め先の事業が好調だったことから、彼はオーナー経営者の誘いに乗り、会社の新規プロジェクトに個人で投資した。

その原資を確保するため、李さんはオンラインで申し込める個人向け無担保ローンで合計30万元(約629万円)超を借り入れた。ところが、2023年半ばから会社の経営が急速に傾き、プロジェクトは頓挫。オーナー経営者は雲隠れしてしまった。

借金を返すために借金

投資目的で借金してからわずか1年余りで、李さんは失業の危機に瀕すると同時に、ローン返済の重い負担を抱えてしまった。

収入の減少で月々の返済に窮した彼は、「借金を返すために借金する」という危険な道を選ぶしかなかった。おかげで借金がさらに膨らみ、その返済のために海外への「出稼ぎ」を考えているほどだ。

李さんは同様の苦況に陥っている無数の青年の1人に過ぎない。借金返済に行き詰まる個人が増えているのは、多数の金融機関で個人向けローンの不良債権比率が上昇し続けていることからも明らかだ。

「個人向けローンの不良債権化が目立つのは、個人向け住宅ローンと個人向け事業ローンの2種類だ」。財新記者の取材に応じた大手銀行の関係者は、実態をそう打ち明けた。

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