借金9億円を返済した2代目社長のすごい手腕 アウェーの中で社内改革を進めた工夫とは

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うちがラッキーだったのは会社に30数年という歴史があったため、吹きだまりがたくさんあったことです。新聞や保険などお付き合いで入っているものや、交換条件で契約していたものが、見直したらボロボロ出てきました。

家計でもよくありますよね。携帯電話のプランが高いものになったままだったり、今はもう使っていないサブスクの契約がそのままになってずっと払っていたり。これを防ぐには定期的に支出を見直して、本当に必要な出費かどうかを検証しなければいけません。

うまくいかない会社の四大口グセ

会社の場合、社歴が長くなってくると、もう辞めてしまった社員にしかわからないような費用がたくさん垂れ流されているものです。それがいつのまにか聖域になってしまって、誰も手をつけてはいけないものになってしまっていることもあります。

そうしたアンタッチャブルなものを「聖域なき見直し」をして洗い出していったのです。

当時の社内でよく飛び交っていた言葉が次の4つです。

「やっても無駄」

「昔は良かった」

「今までこうやってきたから……」

「一発ヒットさえすれば……」

私が借金返済に動き始めたころ、社員は冷ややかに見ていました。

「そんなことは俺たちがずっと昔にやったけれど、無駄だった」

「慎次郎が来て、いろんなことが締め付けられて会社がギスギスしている。昔のほうがよかった」という声も聞こえてきていました。

経理ではこんなこともよくありました。

まだそのころは手書きの作業が多い時代で、同じ内容の請求書を何枚も一から手書きで書いているのです。「なぜ同じ請求書をいくつも書くの?」と聞くと、「いままでそうやってきたから」というのです。

当時はWindowsXPが登場してしばらく経っており、多くの会社が見積書や請求書など文書をどんどんデジタル化していました。先方からの文書もデータでのやり取りが増えてきていたのです。

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