世の中のさまざまな仕組みを数学を使って解明することで、物事を⾒る視野が広がります。今回は高校数学で学ぶ「積分」について、現役東大生の永田耕作さんが解説します。
車はいったいどれだけ進んだ?
前回の記事(「微分は実生活で使わない」と思う人に欠けた視点)では、車の問題を出題して「微分」について解説しました。今回は「積分」について考えてみたいと思います。以下の問題を考えてみてください。
停まっていた車に乗ったあなたは車のアクセルを踏み、等しい加速度で10秒間車のスピードを上げ、時速30kmまで加速しました。そして、その速度で2分間運転をした後、ブレーキを踏み、等しい加速度で10秒間車のスピードを下げ、再び車を停めました。運転をする前に停まっていた車の位置から進んだ距離を答えてください。
いかがでしょう? 問題条件が複雑で、どこからどのように考えればよいかわからない、という人も多かったのではないでしょうか。
しかしこの問題は、条件的には実際の車の動きに即した問題になっています。車のアクセルを踏んだ瞬間に時速30kmまで加速できるわけではありませんし、ブレーキを踏んだら一瞬で車が止まることもありません。
では、このような問題はどのように考えればよいのか。ここで使うのが「積分」の考え方です。
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