「傷つく言葉」の裏に隠された真実が自分を変える 「泣き虫」名門女子校の校長が語る"涙の効用"

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涙とは、言葉にしたくてもできない思いがあふれて出てくるものなのでしょうか。

少なくとも、私の場合はそうだったかもしれません。カウンセリング研修で人目をはばからず泣いたように、昔からよく泣く子でした。自分の気持ちをうまくいえないぶん、涙がすぐポロポロこぼれてくるのです。

しょっちゅう泣くので親に叱られ、どうしたらいいかわからず、また泣く。そんな子ども時代でした。

今でも思い出すのが、授業参観で泣いてしまった日のことです。小学3、4年生の頃でした。

先生にあてられ、母親にいいところを見せたくて一生懸命答えたのに、それが明らかに期待はずれの答えだったとわかったときです。先生の微妙な表情からそのことを読み取った瞬間、私は席でワッと泣きはじめました。

泣くのは悪くない

涙腺が特別弱いのは大人になっても変わりません。つらいときや苦しいとき、うれしいとき、感動したとき、いまだによく泣きます。

とくに、学校行事で生徒たちや卒業生たちの晴れ姿を見ると、ここまで苦労してがんばってきたのだなと思い、ジワッと涙がにじんでくるのです。涙もろさの克服は、私にとって長年の課題です。

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しかし、涙の効用を実感しているのも事実です。

一時期、「涙活」という言葉が流行しましたが、涙を流すことで感情をコントロールしている側面もあるといいます。実際に、悲しいときもひとしきり泣いたら落ち着いて、「悲しむのはこれでおしまい」と思えるものです。

泣くという行為は、自分で感情を抑えられないときの“対症療法”なのかもしれません。しかし、心を癒やし、今を受け入れて進むために、あなどれない力を持っているようです。

大人になると、つい涙を我慢することも多くなりますよね。でも泣くことを許すのも、自分に対する優しさのひとつではないかと、泣き虫の私は感じています。

神垣 しおり ノートルダム清心中・高等学校校長 NGOサラーム(パレスチナの女性を支援する会)代表

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かみがきしおり / Shiori Kamigaki

広島県出身。ノートルダム清心中・高等学校卒業後、広島大学教育学部在学中に、香港大学人文学部留学を経験し、国際協力・支援も志す。広島市立中学校教員(臨時採用)を経て、1983年よりノートルダム清心中・高等学校社会科教員として勤務。仏教大学通信制により、宗教科の免許取得後、2004年より宗教科も担当。渡航した友人の後方支援としてNGOを立ち上げ、約30年間、パレスチナの女性が刺繍した製品販売を支援する活動にかかわる。

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