本当だろうか、と思う方もいるだろう。
なぜ私がそうだと断言できるかと言えば、私はそれを、米海軍の原子力潜水艦「サンタフェ」の艦長として実現したからだ。
私が艦長になったとき、サンタフェの乗員は、知識の面でも、操作の面でも、士気の面でも、潜水艦部隊の底辺にいた。
その原因はリーダーシップの問題にあると見てとった私は、リーダーが部下に責任を委ねる新しい形のリーダーシップを導入した。
コヴィー博士も絶賛した「委ねるリーダーシップ」
この「委ねるリーダーシップ」を艦内に浸透させると、1年もしないうちに劇的な変化が生じ、サンタフェは素晴らしい働きを見せた。
その噂を聞きつけてサンタフェに乗船することを希望した、『7つの習慣』の著者、コヴィー博士からは、こんな言葉をいただいた。
「言われたとおりにやっただけです」
「判断は私の仕事ではないので」
こんな残念な言葉を自ら発したこと、あるいは部下に言わせてしまったことはないだろうか。こうした言い方がなされる原因は、前述のように決定者と実行者の役割を分断してしまったことにある。
そうなると上司の仕事は、自らが決めたことを部下にやらせたり、従わせたりすることとなる。
自分が決めたわけでもないことをするよう指示された部下は、考えることをやめ、このような言葉を発しがちになるというわけだ。
しかしこれからは、誰もが思考と行動の両方を担うことが求められる。思考と行動の適切なバランスをとることが必要となるのだ。
リーダーとしてのあなたの言葉遣いは、チームの心理的安全性やパフォーマンスに、大きな影響を与える。
もしあなたが、産業革命期の古いやり方から抜け出し、新しいやり方と言葉遣いを身につければ、チームの成果も、メンバーの幸福度も、ひいてはあなた自身の充実感も、大きく改善されるだろう。
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