知っておいて損はない「津波」情報との接し方 「津波警報へ切り替え」の表現が意味すること

✎ 1〜 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 21 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

以前、X(旧Twitter)の気象庁防災情報が津波に関するクイズとして“皆さんは、「津波の前には必ず潮が引く」という話を聞いたことがありますか?さて、この話は本当でしょうか?”と投稿していました。

このクイズには「本当」と答えた方が55%でしたが、正解は「間違い」です。地震によっては海底の底が見えるほど海が引いたような地震がありますが、必ずしもそうではありません。津波の押し波(高い部分)と引き波(低い部分)があるとき、引き波から陸に到達すると、潮が引いたように見えることがあるのみです。

津波に関するクイズのスクリーンショット
X(旧Twitter)の「気象庁防災情報」に投稿された津波クイズ(画像:気象庁防災情報

このような、「津波の前に必ず潮が引く」という迷信を信じてしまうと、「潮が引かないと津波は来ない」のように考えてしまうこともあるので、どうかご注意ください

出先での津波被害に備えて

沿岸部にお住まいでない方は、津波は他人事のような意識もあるかもしれません。しかし、海や大きな川の近くに旅行や仕事で行った際や、通勤・通学や移動先への行程で偶然、津波に巻き込まれる可能性もゼロではありません。

それでは、自宅やよく知っている場所だけでなく、出先などで津波警報、大津波警報が出たらどうするべきでしょうか。

まずは近隣の津波避難に関する看板などを見て、近くの津波避難場所となっている高台などへ避難することが望ましいでしょう。

しかし、場所によっては必ずしも高台があるわけではありません。そのような場合は、近隣にある津波避難ビル(施設)などに避難することができます。沿岸部や海に遊びに行く際は、事前に現地付近にて近隣の津波避難ビル(施設)、津波避難場所の場所などを確認しておくことをお勧めします。

津波警報、大津波警報について正しい知識をつけて、いざという時には身を守ってほしいと考えます。

横山 芳春 だいち災害リスク研究所 所長・地盤災害ドクター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

よこやま よしはる / Yoshiharu Yokoyama

地形と地質、地盤災害の専門家。早稲田大学大学院理工学研究科博士課程を修了、関東平野(茨城県南部全域の常陸台地)の地形・地質のなりたちに関する博士論文で博士(理学)の学位を取得。早稲田大学理工学総合研究センター勤務ののち、国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質情報研究部門(旧・通産省工業技術院 地質調査所)などで研究に従事。現在は、さくら事務所が運営するシンクタンクだいち災害リスク研究所所長として、災害が起きた際には速やかに現地入りして被害を調査。地盤災害のプロフェッショナルとして活動している。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事