生成AI「バーチャル家庭教師」の開発競争が加速 中国企業が教育特化型の大規模言語モデル発表

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有道は教育サービスに特化した大規模言語モデルを独自開発した(写真は同社ウェブサイトより)

生成AI(人工知能)を応用した「バーチャル家庭教師」の開発競争が加速している。

中国のオンライン教育サービス企業の有道(ヨウダオ)は1月3日、教育サービスに特化した(生成AIの基盤になる)大規模言語モデルの新バージョン「子曰(ズーユエ)2.0」を発表。と同時に、子曰2.0をベースにした全教科対応のAI家庭教師「小P老師」と、英会話などを音声で指導するAI家庭教師「ハイ・エコー2.0」をお披露目した。

有道は中国のオンラインゲーム大手、網易(ネットイース)の傘下企業だ。同社は2023年7月、独自に開発した中国初の教育向け大規模言語モデルを「子曰」と名付けて発表。その後に改良を重ね、(中国の学校で教えられている)全ての科目で生徒の質問に回答する機能や、口語表現のトレーニング、文章速読などさまざまなアプリケーションを開発してきた。

人間の教師の代替は否定

有道のCEO(経営最高責任者)を務める周楓氏の説明によれば、小P老師は小中学校レベルの教育内容に関する質問への正答率が汎用の大規模言語モデルを凌駕するという。ただし、開発の狙いは人間の教師に取って代わることではなく、教師のサポート役を担うことにあるとしている。

もうひとつのハイ・エコーは、中国の英会話教育という巨大市場に向けたアプリケーションだ。周氏によれば、その市場規模は推定500億~1000元(約1兆112億~約2兆225億円)に上る。ハイ・エコーは、英語を学ぶ大学生や社会人などを中心に数十万人の(旧バージョンからの)登録ユーザーを擁し、有料サービスへの加入意欲は旺盛だという。

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