未来学者の未来予測と、経営学者の未来予測はどこが違うのか? 未来に関心のある経営者が大局を知るべき理由

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自動車 カラフル エレクトリック レトロ 未来
日本を支える最重要産業はこれからどうなるのでしょうか(写真:Studio-M/PIXTA)
これまでの経営戦略論が避けてきた「未来予測」にあえて挑戦し、産業の未来を描こうとする書籍『通史で読み解く自動車の未来』が刊行された。
経営戦略にとって本当に役に立つ未来予測とはどのようなものか。本書のはしがきを抜粋・編集してお届けする。

経営者はなぜ未来を知りたがるのか

これから世の中はどう変わっていくのか。これに勝る関心事など、およそ経営に携わる方々には考えられないでしょう。

変化を先取りして他社を出し抜けば、社業は上向きます。逆に変化を後追いするのでは、不利な戦いを強いられます。ましてや変化に取り残されてしまうと、社業は存亡の淵に沈みかねません。

通史で読み解く自動車の未来: 大局を見渡し、戦略を導く
『通史で読み解く自動車の未来』(東洋経済新報社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

だから経営者は未来を読み解くために全身全霊をささげるのだと思います。

もちろん、未来は不確実性に満ちており、一筋縄で読み解けるものではありません。

「リスク」なら、生起しうるシナリオに加えて生起確率まで推定できるので、回避するために払うプレミアムの上限さえ決めておけば、それで済みます。

変数がリターンやコストに限られている投資案件は、まさにリスクテイクの問題ですが、「不確実性」は生起しうるシナリオや生起確率がわからない状態のことを指します。

こと経営戦略に関しては、変数があまりに多すぎるため、不確実性から逃れることができません

本書は、自動車業界を例に取り上げて、不確実性に包まれた未来を読み解くためのオーソドックスな方法論を伝授しようとするものです。

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