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〈書評〉『勝負師 孫正義の冒険』『「稼ぐ小国」の戦略』『1945 最後の秘密』/世界に張り巡らされた人脈、トランプ大統領の懐にも飛び込む姿

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ブックレビュー『今週の3冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『勝負師 孫正義の冒険』

・『「稼ぐ小国」の戦略 世界で沈む日本が成功した6つの国に学べること』

・『1945 最後の秘密』

『勝負師 孫正義の冒険』ライオネル・バーバー 著
『勝負師 孫正義の冒険』ライオネル・バーバー 著/村井浩紀 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・本誌 山田俊浩

ソフトバンクグループを率いる孫正義。1981年にパソコンソフトの卸売会社、日本ソフトバンクを創業して以来、注目を集め続けるスター経営者であり、評伝も多数出版されてきた。本書の著者は、日本経済新聞社傘下の英フィナンシャル・タイムズ前編集長。評者も『稀代の勝負師 孫正義の将来』を出版したが、“勝負師”の例えは、孫を描く際の定石といえる。

華麗なる世界人脈を駆使しトランプの懐にも飛び込む姿

東洋経済オンラインの愛読者に読んでほしい本を一気に紹介。【土曜日更新】

本書で注目したいのは直近の出来事だ。エピローグには、2025年1月にトランプ米大統領とともにぶち上げた巨大プロジェクト「スターゲート計画」について記されている。孫は、トランプ大統領の懐に飛び込んで、米オラクルや米オープンAIとともに総額5000億ドル(約77兆円)規模で米国内のAIインフラを整備する計画を明らかにした。

なぜホワイトハウスに食い込めたのか。フロリダ南部でトランプ邸の近隣に邸宅を構えるオラクル共同設立者のラリー・エリソン、そしてラスベガスの富豪、故シェルドン・アデルソンの妻が話をつないでくれたのだという。こうした個人的な人脈は、ビジネスを通じて醸成されたものだ。スターゲートを実現するにも、中東の王族との人脈がカギとなる。本書からは、世界に張り巡らされた孫の人脈の現在地がわかる。

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