優れた経営者は「戦略」を「理想の姿」と混同しない 『戦略の要諦』など書評4点

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ブックレビュー『今週の4冊』

 

[Book Review 今週のラインナップ]

・『戦略の要諦』

・『イギリス帝国盛衰史 グローバルヒストリーから読み解く』

・『福翁夢中伝(上下)』

・『情報公開が社会を変える 調査報道記者の公文書道』

『戦略の要諦』リチャード・P・ルメルト 著
『戦略の要諦』リチャード・P・ルメルト 著/村井章子 訳(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・経営共創基盤共同経営者 塩野 誠

ビジネスの世界で戦略を語る者は多い。近年では新卒学生の就職先として経営コンサルティング会社が人気だという。コンサルタントは企業に戦略を売っており、企業経営者も正しい戦略をつねに探している。だが、「戦略」とは一体何なのか?

優れた経営者は「戦略」を理想の姿や業績目標と混同しない

本書は『良い戦略、悪い戦略』著者の最新作だ。著者の経験とさまざまな企業や軍事関連の事例を用い、戦略とは何かを解き明かしていく。

イーロン・マスクがスペースX社で行ったロケット再利用、マイクロソフトとアップルの攻防など読者に馴染(なじ)みのある題材が多く、迷える「戦略業界人」らに響くだろう直接的な至言が随所にちりばめられている。例えば、「真の差別化を図る」「新しい能力を開発する」というのは戦略ではない。企業の過去3年間の成長率データから次の3年間を予測することはまず不可能である、といった類である。

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