
社歴を重ねるだけではなぜ足りないのか
百戦錬磨の実務家に本当に教科書などいるのかと疑う方もいるかもしれません。
しかし、私が2000年代に送り出した本を見ていただくとわかるように、社員の働きを稼ぎに換えることに失敗してきたのは、社業に精通した実務家たちです。
彼らは強欲でもなければ、不実でもないのに、経営戦略をしくじりました。
なぜ、社歴を重ねるだけでは足りないのでしょうか。経験を積めば確かに製品、顧客、組織に詳しくなりますが、戦略に必要なのは、構図、意図、潮目など、目に見えないものを視る力です。
数十年の経験を狭い社業で積み上げても、こうした力はなかなか身につきません。
メディアのキャンペーンに対する免疫も同様です。
かつてのFA(ファクトリー・オートメーション)や直近のDX(デジタル・トランスフォーメーション)など、「やったほうがよい」案件に資源を配分する傍らで、「やらなければならない」案件がなおざりになると、戦略は空を切ります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら