中国「融資平台」のオフショア起債に当局が待った 債務利払いの原資を割高コストで調達する矛盾

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地方政府傘下の融資平台の多くは収益性の低いインフラ建設などに巨額の投資を行い、資金繰りが悪化している(写真はイメージ)

「融資平台」と呼ばれる中国の地方政府傘下の投資会社は、厳しい資金繰りを乗り切るための新たな手法として、オフショア市場での起債を増やしてきた。ところが、この動きを金融監督当局が問題視し、融資平台の外債発行登録申請を受理せず、起債手続きが滞っていることが財新記者の取材で明らかになった。

当局が待ったをかけたのは、融資平台と中国国内の債券投資家があらかじめ申し合わせ、投資家がTRS(トータル・リターン・スワップ、原資から生ずる損益と金利を交換する契約)やQDII(適格国内機関投資家)などの手段を通じて国内資金をオフショアに持ち出し、融資平台が発行する高利回りの外債を購入するスキームだ。

表面金利8%の事例も

この手法で発行される外債は、償還期間が1年または3年で、主に香港やマカオで起債されている。一部の融資平台は、(会計年度の節目である)年末が近づくと債務の元利返済の圧力が高まり、相対的に発行が容易な1年物の外債をつなぎ資金の調達手段にしたのだ。

だが、融資平台はその対価として、国内市場よりも割高な利回りや引き受け資金の国外持ち出しにかかる手数料など、追加のコストを負担しなければならない。

中国の金融情報サービス会社、Windのデータによれば、山東省の融資平台の1つである威海南海投資発展が2023年12月29日に発行した総額3億1000万元(約63億円)の債券は、表面金利が8%に上った。

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