中国、住宅建設の中断を回避へ「ホワイトリスト」 優良プロジェクトの資金繰りを政府がサポート

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住宅の建設工事の中断は消費者の不安を高め、不動産不況を悪化させる要因になっている。写真は中国の不動産大手、恒大集団が建設中のマンション群(同社ウェブサイトより)

中国では不動産不況の長期化とともに多数のデベロッパーの資金繰りが悪化し、予約販売済みの住宅の建設工事が中断する問題が起きている。そんななか、物件の完成と購入者への引き渡しを円滑に進めるべき優良プロジェクトを政府主導で選別した「ホワイトリスト」の第1弾が作成され、金融機関に通知された。

2月7日付の中国中央テレビ(CCTV)の報道によれば、「都市不動産融資調整メカニズム」が中国全土の170都市ですでに始動し、合計3218件の住宅開発プロジェクトが第1弾のホワイトリストに記載された。

リストを受け取った金融機関は、規定に則った審査を経て、プロジェクト(の事業主体である不動産デベロッパー)に対して融資を実行する。CCTVの報道によれば、すでに27都市の83件のプロジェクトに対して総額178億6000万元(約3272億円)が融資されたという。

融資担当者の不安を軽減

中国政府の住宅都市農村建設省と国家金融監督管理総局が、都市不動産融資調整メカニズムの整備に関する通達を連名で発表したのは、1月12日のことだった。今回のホワイトリスト作成と融資実行は、それを受けた最初の具体的な進展と言える。

「ホワイトリストの意義は、政府が一定の範囲を定め、そこに入ったプロジェクトに関しては(融資担当者に対して)『尽職免責』を適用することを明確にしたことにある」。財新記者の取材に応じた大手金融機関の関係者は、そう解説する。

この関係者によれば、不動産デベロッパーの経営危機が相次ぐなか、監督当局は(融資規制見直しなどの)多少の政策調整を行ったが、金融機関の現場では融資実行をためらう空気が濃厚だった。いざという時に融資担当者が免責される確証がなく、不安を拭えなかったからだという。

(訳注:ここで言う「尽職免責」は、金融機関の担当者が職責の範囲内でリスク管理に尽力したと認められる場合、仮に不良債権化しても担当者個人の法的責任を問わないという意味)

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