ホンダSUV「WR-V」と「ヴェゼル」にある決定的な差 サイズ感の近いコンパクトSUVだが狙いが違う

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また、WR-Vの後席は、かなり厚みがあり、乗り心地もより快適だ。これは、WR-Vの海外仕様となるエレベイトが販売されているインドでは、オーナーが運転手付きで後席に座るケースも多いことが関係している。つまり、現地では高級車としてのポジションだといえる。そうした背景もあり、WR-Vは、より後席の座り心地を追求して開発されたモデルだといえる。

WR-Vの荷室
WR-Vの荷室。後席をすべて倒した状態(写真:三木宏章)

荷室に関しても、WR-Vは、後席の背もたれを起こした5名乗車時でも、458Lというクラストップレベルのスペースを確保する。ただし、6:4分割式の後席は、左右の背もたれをすべて倒してもフラットにはならない。座面と背もたれの厚みが段差となってしまうからだ。

荷室アレンジはヴェゼルに軍配

ヴェゼルの荷室は、後席を倒すことでフルフラットになることがWR-Vに対して大きなアドバンテージ
ヴェゼルの荷室は、後席を倒すことでフルフラットになることがWR-Vに対して大きなアドバンテージ(写真:本田技研工業)

その点、同じく6:4分割式を採用するヴェゼルの後席は、左右シートを座面ごと足元へ収納できる「ダイブダウン機能」を持つため、荷室をほぼフラットにすることが可能。よりさまざまな荷物を安定して積載することができる。

こうした違いは、ヴェゼルには「センタータンクレイアウト」を採用しているためだ。フィットやN-BOXなどにも採用されているこの機構は、通常は後席や荷室の下にある燃料タンクを前席下へ配置することで、室内のフロアを低く設定できる。これにより、ヴェゼルの後席はダイブダウン機能を装備できるのだ。また、後席の座面を背もたれ側へ跳ね上げる「チップアップ機構」も採用し、鉢植えなど背が高い荷物を積むこともできる。荷室のアレンジがより幅広いのは、ヴェゼルのほうだといえる。

後席を倒した状態のヴェゼルの荷室
後席を倒した状態のヴェゼルの荷室(写真:本田技研工業)

なお、両モデルのシート生地は、WR-VがXグレードにファブリック、ZとZ+には、プライムスムース×ファブリックのコンビシートを採用する。また、同じくZとZ+には、本革巻きステアリングホイールやプライスムースを施したドアライニングなども装備し、さらなる高級感を演出している。

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