ホンダSUV「WR-V」と「ヴェゼル」にある決定的な差 サイズ感の近いコンパクトSUVだが狙いが違う

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なお、ヴェゼルもハイブリッド車には、4段階の減速フィールを味わえるパドルシフト風の「減速セレクター」を装備する。また、3タイプのドライブモードも用意し、通常走行に対応する「NORMAL」、スポーティな走りが楽しめる「SPORT」、燃費走行に最適な「ECON」から選択可能。ただし、これら装備は、ヴェゼルのガソリン車には設定がない。

ヴェゼルの減速セレクター
ヴェゼルの減速セレクター(写真:本田技研工業)

燃費性能では、WR-VがWLTCモード値16.2~16.4km/L。一方、ヴェゼル・Gグレードの2WD(FF)ではWLTCモード値17.0km/L(4WDは15.6km/L)。燃料タンク容量はどちらも40Lのため、スペック上の航続距離は、若干ながらヴェゼルに軍配が上がる。また、車両重量はWR-Vが1210~1230kgで、ヴェゼルのガソリン車が1250~1330kg(e:HEV車は1350~1450kg)。ヴェゼルは、車体もやや重いわりには、燃費性能ではWR-Vを若干上回っている。さらに、ヴェゼルは、ガソリン車にも4WD車を設定するため、雪が多い地域など、より幅広いニーズにマッチしているといえるだろう。

ヴェゼルのe:HEVシステム
ヴェゼルのe:HEVシステム(写真:本田技研工業)

ちなみに、ヴェゼルのハイブリッド車は、ガソリン車と同じエンジンと、最高出力96kW(131PS)、最大トルク253N・m(25.8kgf-m)を発揮する走行用モーターを搭載。これに発電用モーターを組み合わせることで、より多くのシーンでモーターによる走行が可能だ。また、加速時などにはエンジンの出力をモーターがアシストする。これらにより、WLTCモード値22.0~25.0km/Lと、燃費性能もかなり高い。とくに高速道路を使ったロングドライブなどでは、e:HEV車のほうが長い航続距離を実現する。

室内:運転席・メーター

両モデルの運転席は、水平基調のインストルメントパネルなどにより、どちらも広く開放感ある視界を確保する。とくにWR-Vでは、よりアイポイントが高く、フロントフードの先端などが見やすいため、細い路地などでの安心感も高い。なお、最小回転半径はWR-Vが5.2mで、ヴェゼルのガソリン車では5.3m(e:HEV車は5.3~5.5m)。小まわりのしやすさでは、両車ともにほぼ同水準と言える。

WR-Vのメーター
WR-Vのメーター(写真:三木宏章)

メーターは、WR-Vが7インチTFT液晶のマルチインフォメーションディスプレイ、アナログ式の速度計を組み合わせた方式を採用する。左側にあるマルチインフォメーションディスプレイには、アナログ風の回転計を配置。その内側では、平均車速や運転の経過時間、航続可能距離、安全運転支援システムの作動状況など、多様な情報を表示する。

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