三菱ケミカルグループ、突然の社長交代劇の背景 社外出身外国人から社内出身日本人へ逆戻り

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そうした中、三菱ケミカルGが当初考えていたような取引条件による事業の切り離しは難しくなったようだ。ギルソン体制で石化事業を所管してきた筑本氏は、「われわれがフェアと思うことが相手にとってフェアではないこともある」とも述べ、交渉の難しさをにじませた。

キャリアのほとんどで石化事業に携わってきた筑本氏。石化事業の今後については、「(必ずしも)切り離すという発想ではない。強い会社として独立させることしか考えていない」とコメントし、構想の仕切り直しを示唆した。

決着の時期については「相手があることなのでいつまでにというのは難しい」と話す。2024年秋までには石化を含む今後の事業戦略を公表したいという。

人材流出に危機感も

筑本氏は「(ギルソン氏の就任以降)多くの優秀な人材が流出したことは間違いない」とも明かし、「もう一度、(社内外から)サポートしてもらえるような求心力が必要だ」と語った。

ギルソン社長が進めてきた事業構造改革に対する軋轢も少なからずあったようだ。

新社長に就く筑本氏は、石化事業での長い経験や知見を買われて起用される(記者撮影)
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