人気漫画家・望月ミネタロウが語る創作の源泉 バタアシ金魚、ドラゴンヘッド…傑作誕生秘話
面白く読んでもらうための苦悩
──マンガを描く作業の中で好きな部分と嫌いな部分は?
基本的に全部嫌なんですけど(笑)、これしかできないからやってるだけで。
その中で何が一番嫌いかといえばネームが嫌いですね。ネームが終われば、あとの作業はあまり悩まないので存外気楽にやれます。どうやったらこの話を理解してもらえるんだろう、どうやったらこのマンガを面白く読んでもらえるんだろうということばかり考えて、ずっと苦悩しています。
──作業中に音楽とかラジオとかかけますか?
昔はFM横浜をよく聴いていました。最近はSpotifyで適当に。
──今は結構、コワーキングスペースとかでもお仕事されるとか。
そうですね。カフェでもコワーキングスペースでも、タブレットだけあればどこでもできるので。ちょっと前に流行ったノマドってやつですかね(笑)。
まあ、今はこういうエッセイマンガを描いてるからできる、というのもありますけど。
──『ドラゴンヘッド』(講談社「ヤングマガジン」1994年~2000年)とかはもちろんアシスタントさんが入ってたと思いますけど、『バタアシ金魚』の頃のインタビューでは一人で描いてるというお話をされていましたね。
厳密に言えば友達に消しゴムかけとかベタ塗りは手伝ってもらってましたけど、正式なアシスタントはいませんでした。というか、アシスタントを雇うという概念自体がなかったです。
友達が遊びに来て横でカップラーメンとか食ってて、「消しゴムかけぐらいやってやろうか」って言うんでやってもらったら原稿ビリッて。で、「もうおまえ帰れ!」みたいな感じでしたね。