新聞記事を社内ネットで閲覧するのは違法行為か? デジタル時代、企業の情報収集に潜む落とし穴

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

弁護士の見解は「著作権を侵害したとして刑事的な責任を問われる可能性があります」というものです。

「新聞の切り抜き」は、著作物ですので、一般的には記事を作成した記者が所属する新聞社が著作権を有しています。そうすると、新聞社に複製権、つまり新聞社が「同意なく記事をコピーするな」と主張する権利が認められることになります。

本件のように著作物を著作権者に無断でコピーやスキャンをすると、著作権を侵害したとして刑事的な責任を問われる可能性があります。

法人の場合は、罰金額が最大で3億円

著作権侵害は、故意に行うと犯罪になり、最高で「懲役 10 年又は 1000 万円の罰金、あるいはその両方」(著作権法 119 条 1 項)の 刑罰を受ける可能性があります。ちなみに、法人の場合は、罰金額が最大で3億円になります(著作権法 124 条 1 項 1 号)。

また民事上は、著作権者が著作権侵害者を訴えて、侵害行為をやめさせたり(=差止)、著作権侵害によって生じた損害の補填を請求したり(=損害賠償請求)することができます。

もし、従業員の行為に著作権の侵害が認められ、その行為が原因で会社が民事上の責任や刑事上の責任を負った場合、当該従業員やその監督をする上司は、会社から懲戒処分などの社内的な処分や、損害賠償などの責任を問われることがあります。

次ページ鉄道会社が訴えられた事例
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事