「初日の出を拝む」は意外に新しい習慣だった 実はよく知られていない"正月行事のしきたり"
【初日の出】年神様に一年の幸運を願う
初日の出は、新しい年を迎えるうえでとても大切な行事だ。その年に初めて昇ってくる太陽を拝み、一年の幸運を祈るべく、夜のうちから家を出て見晴らしのよい場所に向かうという方も多いに違いない。
初日の出を拝む場所は、眺めのよい山や海岸などさまざま。
とくに人気の高い山頂での日の出は、近くの雲に映ったその影が、あたかも光の輪を背にした仏の像のように見えることから、仏の「ご来迎(らいごう)」との語呂合わせで「ご来光」と呼ばれるようになったという。
なお、初日の出を拝む習慣はいまではすっかりお馴染みだが、意外なことに昔から習慣があったわけではなく、明治以降に盛んになったといわれている。
それ以前の元旦は、年神様を迎えるために家族で過ごし、「四方拝(しほうはい)」といって東西南北を拝んでいたのだそうだ。
昔は家長が神社で年越し"一年のケジメ"
【初詣】本来は、氏神様にお参りするものだった
年の初めにお参りをすると「めでたさ」が増すということで、新年を迎えると各地の神社・仏閣は初詣をする人で賑わう。
大晦日の除夜の鐘(残念なことに、近年は騒音だというクレームも増えているようだが)を聞きながら家を出て、元旦にお参りを済ませて帰ることを「二年参り」という。
やがて、伊勢神宮や出雲大社などの有名な神社に出かけたり、その年の干支によって年神様のいる方角、つまり恵方が縁起いいということで、恵方に当たる社寺に出かけて初詣をする「恵方参り」がさかんになりました(38ページより)
ご存じのとおり現在では恵方参りの習慣はなくなり、明治神宮、成田山新勝寺、川崎大師、住吉大社など、各地の有名社寺に出かけてお参りをする人も多くなっている。
【門松】神が宿る木を門前に立てる
正月になると、玄関前や門前に「門松」を立てる家は多い。左右に一対並べるのが一般的で、玄関に向かって左側の門松を「雄松(おまつ)」、右側を「雌松(めまつ)」と呼ぶ。
もともとは新年を迎える際、年神様が降りてくるときの目印として、杉などの木を立てたのが始まりだ。
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