「初日の出を拝む」は意外に新しい習慣だった 実はよく知られていない"正月行事のしきたり"

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とくに松が飾られるようになったのは平安時代からです。

これは松が古くから神の宿る木と考えられていたためで、この時代の末期には、農村でも正月に松を飾るようになったといわれます。さらにここに、まっすぐに節を伸ばす竹が、長寿を招く縁起ものとして添えられるようになりました。

現在のように、玄関前や門前の左右に一対立てるようになったのは、江戸時代ごろからです(39ページより)

門松は12月28日ごろに立てるのがよく、29日に立てるのは「苦立て」、31日ぎりぎりに立てるのは「一夜飾り」といわれ嫌われる。

立てておく期間は、一般的には7日までの「松の内」の間。ただし5日、10日、15日と、地域によってまちまちであるようだ。

【しめ飾り】家のなかを、神を迎える神聖な場所に

正月近くになって玄関口や家の神棚などに「しめ飾り」をするのも、門松と同じく正月に年神様を迎えるための準備。

もともとは、神社がしめ縄を張りめぐらせるのと同じ理由で、自分の家が年神様を迎えるにふさわしい神聖な場所であることを示すために、家のなかにしめ縄を張ったのが始まりでした。

かつては、「年男」と呼ばれる家長が、しめ縄を家のなかに張る役目を担いましたが、やがて、そのしめ縄が簡略化されていき、現在のようなしめ飾りや輪飾りになっていきました(40ページより)

しめ飾りは、しめ縄にウラジロ、ユズリハ、ダイダイなどをあしらってつくられる。

ウラジロは常緑の葉であることから長寿の願いが、ユズリハは新しい葉が出てきて初めて古い葉が落ちることから、次世代に家系を「譲って絶やさぬ」という願いが込められている。

ダイダイは家が代々栄えるといったことから、縁起ものとして正月飾りに使われるようになった。

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【若水】元日最初の水汲みで一年の邪気を払う

元日の早朝に、最初に汲む水を「若水」といいます。平安時代の宮中では、立春の日(当時の正月元日)の重要な行事であり、やがて元旦の行事として庶民の間にも広まっていきました(42ページより)

年頭にあたって若水を汲むことを「若水迎え」といい、できるだけ遠くに汲みに行くほど吉とされ、水を汲む途中で他人に出会っても、話をするのは厳禁だったという。

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