子どもを生成AIを使いこなせるよう育てるには? 「AIに取って代わられる人」にならないために

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ここでは、いかに生成AIが高次思考、ブルーム・タキソノミーで言うところの「分析」「評価」「創造」に役立つのかをお話ししておきましょう。

たとえば、ChatGPTに「第一次世界大戦は、いつ、いかなるきっかけで勃発したのか」と問えば、一瞬で次のような答えが表示されます(実際にChatGPT-3.5に上記のプロンプト〈生成AIに与える指示のこと〉を入れた結果です)。

生成AIを授業に使うアイデア

第一次世界大戦は、1914年7月28日に勃発しました。そのきっかけは、フランツ・フェルディナント大公(オーストリア=ハンガリー帝国の皇族)とその妻ゾフィーが1914年6月28日にサラエボで暗殺された事件でした。
この事件は、セルビアのナショナリスト組織「黒手(ブラック・ハンド)」のメンバーによって実行されました。オーストリア=ハンガリー帝国はこの暗殺事件を受けてセルビアに対して厳しい要求を突き付けました。
これが「サラエボ事件」(または「フランツ・フェルディナント暗殺事件」)として知られ、国際的な緊張を高めました。その後、ヨーロッパの各国が同盟体制に結びついて対立が激化し、大戦勃発の引き金となりました。
オーストリア=ハンガリー帝国がセルビアに対する宣戦布告を行ったことをきっかけに、ヨーロッパ各国が相互に宣戦布告し、第一次世界大戦が勃発しました。この大戦は、1914年から1918年まで続き、多くの国が巻き込まれ、壮絶な戦闘と犠牲をもたらしました。

ご覧のとおり、知識が編集されていて非常にわかりやすい。

しかし、こうした低次思考的な使い方ではGoogle検索や「ウィキペディア」と大して変わりません。「アイデアの壁打ち相手にできること」こそが生成AIの画期的な点ですから、単なる検索エンジンやウェブ事典的な使い方をするだけでは宝の持ち腐れなのです。

何より大きな問題として、生成AIは時として大きく間違えることがあります。生成AIの仕組みである「大規模言語モデル(LLM)」とは、ざっくりいうと、大量のデータ学習をし、それらをパターン認識して答えを生成するというものです。

ですから、学習したデータ量が十分でない分野の問いを投げかけられたときには、少ないデータを使って何とかパターン認識をひねり出し、その結果、とんでもない「事実」を捏造することがあるのです。これは「生成AIの答えを鵜吞みにしてはいけない」理由として、世間でもよく指摘されています。

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