子どもを生成AIを使いこなせるよう育てるには? 「AIに取って代わられる人」にならないために
まるで生身の人間と意見を交わし、議論を重ねるかのように、生成AIと共にひとつのアイデアを練り上げていくことができるのです。それも、生成AIは人間の記憶力が到底及ばないほどの膨大なデータを学習しているわけですから、ある意味、アイデアの壁打ち相手としては、生身の人間よりも優秀と言ってもいいかもしれません。
AIを使いこなす人、AIに取って代わられる人
子どもと生成AIの関係性においても、同じことがいえます。
ひとつの小さな知識の断片に触れたときに「じゃあ、これは?」「こういう場合はどう?」「その知識を使ってどんなことができる?」「こんなことはできる?」と発想が広がっていく。そんな知的好奇心の強い子にとって、生成AIは、思考力や想像力、創造性を育む助力となるでしょう。
ただ、現状としては、そこまでのレベルで生成AIを使いこなしている子どもは、それほど多くないようです。おそらく今後、生成AIは多くの仕事において欠かせないものになっていくでしょう。
言い方を変えれば「生成AIを使って思考力や想像力、創造性を発揮し、生産性を向上できる人」と、「生成AIに取って代わられてしまう人」とでは大きく明暗が分かれる世の中になると考えられます。
そうであるならば、生成AIを格好の壁打ち相手としてアイデアを練り上げる能力を、いかに子どものうちから育むかを考えねばなりません。「問い」「問題意識」をもって生成AIを使いこなせる思考力を育んでいくことが、これからの教育の最大のテーマとなっていくでしょう。
生成AIの登場は教育において脅威ではなく、使いようによっては子どもの思考力や想像力、創造性を育む好機である。本記事ではそんな認識の下、生成AIを含むさまざまなデジタルツールを教育に取り入れるアイデアも共有していきたいと思っています。
具体論に入る前に大きなビジョンを共有しておくと、生成AIの最も有効な使い道は、「高次思考のパートナー」とすることです。
人間の思考は、「知識を得る」「理解する」「応用する」から始まり、「分析する」「評価する」「創造する」という順序で次第に高次になっていきます。この分類は「ブルーム・タキソノミー」と呼ばれており、欧米では教育の基本的な指針として浸透しています。
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