「プライバシー=個人情報」と必ずしも言えない訳 「個人情報保護法だけ対応すればOK」ではない?

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事例:クラウドアプリケーション事業者による個人データ管理不備※
 

コミュニケーションアプリ運営会社は、業務委託先の中国の関連会社の従業員が国内の個人情報データにアクセス可能な状態だったと発表。2018年8月から2021年2月まで、中国の関連会社の従業員が国内サーバーにある個人情報にアクセス可能な状態でした。関連会社は違反通報内容の分析ツールなどの開発業務を受託。個人情報には氏名、電話番号などのほか、通報内容にあたる「トーク」機能内や利用者が保存したメッセージ、画像も含まれていました。

さらに、送受信された画像、動画およびファイルが韓国のデータセンターに保存されていたにもかかわらず、ユーザーを含め対外的には、「個人情報を扱う主要なサーバーは日本国内にある」 という不正確な説明をしていたことも指摘されています。

※出所:Zホールディングス「グローバルなデータガバナンスに関する特別委員会 最終報告書」

サイバー空間の脅威が増大している

技術の進展や社会構造の変化により、サイバー空間の社会への拡⼤・浸透がより⼀層進むなか、サイバー空間における悪意ある主体の活動は、社会・経済の持続的な発展や国⺠⽣活の安全・安⼼に対する深刻な脅威となっています。また、国家が政治的、軍事的⽬的を達成するため、諜報活動や重要インフラの破壊といったサイバー戦能⼒を強化していると見られており、安全保障の観点からも、サイバー攻撃の脅威は重⼤化しています。

下の図は、2000年から2020年の間で起こった世界的なサイバー事件の一例です。図には含まれていませんが、2020年は日本で重要な情報を狙うと思われるサイバー攻撃、特に防衛産業を対象にしたサイバー攻撃の事件が次々と明るみに出ました(公安調査庁「経済安全保障の確保に向けて~技術・データの流出防止~」)。

今後もDX(デジタルトランスフォーメーション)やメタバースなどデジタル化が進展していくため、サイバー空間における脅威もそれに比例する形で深刻さを増していくと考えられます。

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