そこから2年半の時が流れ、同じラーメンが1100円になった。690円時代と比較すると、約60%の値上げである(もちろんこれは「博多ラーメン」の話であり、他の商品の値上がり率はそれぞれ異なる)。
店主の甲斐さんはこの約2年で何を思ったのか取材した。
「こんなに美味しいのになんで無名なの?」
まずこの約2年について、甲斐さんは次のように振り返る。
「20年以上博多ラーメンを作ってきていますが、2年前ぐらいまでは鎖国状態で他のラーメン店の方とはまったく交流をしていませんでした。
コロナ禍で、SNSを中心に少しずつ交流するようになり、見聞を広める意味でもこれからは積極的に人に会おうと思ったんです。そうしてよく言われるようになったのが『なんでこんなに美味しいラーメンを作っているのに無名なの?』ということです」(甲斐さん)
確かに筆者も2021年当時、「でぶちゃん」のことはまったく知らず、店の前から漂う豚骨の熟成臭が気になり店に入ったのだった。
甲斐さんはもちろん自信を持って作ってきたつもりではあったが、外から評価を受けることで改めて豚骨ラーメンの素晴らしさを再認識したのであった。
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