日銀のマイナス金利解除はズバリ「2024年1月」だ いよいよ文字どおり「デフレ経済と決別する年」

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2024年は、文字どおり日本経済がデフレと決別する年となるだろう。その中でも注目点は、「いつ日銀がマイナス金利を解除するか」である。

筆者は当初、それは2024年4月の金融政策決定会合(25~26日)であろうと考えていた。つまり、日銀としては組織防衛のためにも、「二度とデフレには戻らない」ことを、念には念を入れて確認しなければならない。

そこでわかりやすいのが、①2024年の春闘で3%台以上の賃上げを確認すること、②2023年10~12月期GDPでデフレギャップがプラスに転じること、の2点である。①は2024年3月を過ぎないと確実ではないし、②が発表されるのは2024年2月15日である。となれば、4月会合となるのが自然な流れである。

日銀が動くのは「1月の金融政策決定会合」か

しかるにここへ来て、「ひょっとすると、2024年1月会合(22~23日)で一気にやってしまうのではないか」と考え直しているところだ。以下のような理由からである。

A. 2024年4月まで待っている間に、アメリカで利下げが始まってしまうかもしれない。12月のFOMCで示されたドットチャートでは、前回に比べて利下げ回数の中央値が2回から3回に増えていた。今後、ハト派色がもう一段強くなったら、それこそ「3月利下げ」もありうることになる。その場合、日銀の利上げは非常にやりにくくなってしまう。
B. 12月7日の参議院財政金融委員会で、植田和男総裁は「年末から来年にかけて一段とチャレンジングになる」と証言している。これは市場に対して政策変更を織り込ませるために、「ヒント」をくれているのではないか。とりあえず、すぐにやってくる12月の金融政策決定会合(18日~19日)で、どんなメッセージが発せられるかに注目しよう。
C. 政界における「パーティー券問題」により、安倍派の重鎮たちが続々と要職を解かれている。この問題は相当に長引き、政界における安倍派の凋落は今後、避けられないものと考えられる。となれば、経済政策の分野では、リフレ派が「応援団」を失うことを意味する。日銀は金融政策の「正常化」に向けて、ほぼフリーハンドを得たのではないか。

つまり慎重にデフレ脱却を確認している間に、マイナス金利解除のチャンスを逃してしまうかもしれないのだ。それだったら、前倒しもアリではないか。

と、ここまで書いたところで為替レートを見たら、なんと1ドル=141円まで円高が進んでいる。これまでの円安は「日米金利差の拡大」が原因だったのだから、日米双方でそれが逆流し始めた現在は、円安是正が始まるのは自然な流れといえる。

為替レートは、「思ったよりも流れは急だよ」と教えてくれているのではないだろうか。

(本編はここで終了です。このあとは筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

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