やや旧聞に属するけれども、英国のエコノミスト誌(電子版)11月16日号が「日本経済に転機到来」(A chance to rise again)という記事を掲載した 。長らく停滞が続いてきた日本経済が、ようやくダイナミズムを取り戻しつつあるという分析記事である。
この記事を見て、官邸内では歓声が上がったという。このところいいニュースがなかっただけに、海外メディアによる日本経済への肯定的な評価がありがた~く感じられたのであろう。とはいえ、岸田文雄内閣の前途はあまりにも多難でありますけどね。
英エコノミスト誌「日本推奨」は3度目、予防線も
英エコノミスト誌が日本を推奨する記事を書くのは、これが3度目になる。1度目は2005年10月、小泉純一郎首相が「郵政解散」で大勝利を収め、「これで構造改革が進む」との期待を集めたときだ。
2度目は2013年5月、安倍晋三内閣がアベノミクスをスタートさせ、対外的に「強い日本」をアピールしたときである。2度とも外資の「日本買い」を呼び、日経平均株価は爆上げとなったものの、最終的には期待外れとなっている。
「3度目の正直」となる今回は、冒頭で以下のような予防線を張っている。この雑誌の長年の読者としては、「そうだろうなあ」と感じるところである。
「懐疑論者は、また日本の偽りの夜明けにだまされると言うだろう。1980年代の奇跡は資産バブルの生成に至り、数十年にわたるデフレに陥って幕を閉じた。以後、本誌も含む部外者は、ほぼ10年おきに新首相に好感を持ち、変化の兆しを見つけては『陽はまた昇る』と主張してきた。そのたびに外国人投資家は失望して撤退する。今度は違うのだろうか」(筆者訳)。
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