このような経験を踏まえ樋口氏は、「政治家は都市であれ中山間地域であれ、現地を歩いてその空気を吸い、地元の鼓動や人々の息吹を感じることが肝要だ」と考えるようになった。
そして、特定分野の文献を読み込んで自分なりの視座を持ち、現場と書籍を往復しながら複眼的に政策や事業を見つめ直せば、最適解を判断できるようになると確信するに至った。
このような政治姿勢を貫く樋口区長であるがゆえ、作業着を着用してごみの収集作業までも行っていたのだ。樋口区長の政治姿勢からすれば至極当然な成り行きだった。
清掃職場に信頼を寄せる区長
樋口区長は今回の体験はもちろん、豪雨被害に見舞われた姉妹提携先の秋田県五城目町へ清掃スタッフ等を派遣し、地元から多大に感謝されたことを通じて、清掃リソースを自らの自治体が保有しておく有用性を再認識した。
それとともに、今後の清掃職員の活躍に大きな期待を寄せるようになった。今後はその期待に現場がしっかりと応えられるよう、一人一人の清掃職員が日々の仕事をしっかりとこなしながら、創意工夫をして業務の質的向上を図っていく必要がある。
清掃職場に信頼を寄せる首長と、その信頼に清掃職場が応えて業務に磨きをかけていく形が構築されれば、清掃サービスの質はさらに向上していくであろう。
そしてそれに連動する形で住民満足度も向上し、行政への信頼がいっそう堅固となる流れを生み出していくだろう。
今後の千代田区の清掃事業において、そのような流れがいっそう大きくなると思えてならない。樋口区政下の千代田区の清掃行政をしっかりと見届けていきたい。
樋口区長のような清掃職場を理解し信頼を寄せるリーダーが他の自治体にも数多く現れるのを期待したい。そのようなリーダーの気持ちに現場が応えていけば、清掃事業は新たな形へと進化を遂げていくに違いない。
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