最新科学に学ぶ「脳の鍛え方」意外と知らないコツ 実は経験的に「当たり前」に行ってきたことだった
私たちの身体は遺伝的にも、無目的に新しい環境条件を試すことで、自らを進化成長させる傾向があります。新しい環境へと移動し、出来事に出会い、必要な情報を記憶し、そこで身体を動かすという生活に適応するように人類は進化してきました。
私たちは、休暇を取って旅に出て、見知らぬ街を散歩したり、山に登ったり海で泳いだりすることを好みますし、軽い運動をすると気持ちがリフレッシュします。最先端の脳神経科学が証明しつつあることは、私たちが普段から経験的にごく当たり前に行ってきたことでもあるのです。
野山を歩いて山菜や木苺を以前見つけた場所に行って採ったり、うさぎやイノシシを追いかけて捕まえたりしていたように活動すれば、集中力や記憶力が向上するといわれても、ピンとこないかもしれません。
しかし、繰り返し述べているように私たちの身体ハードウェアはどこまでいっても、狩猟採集民族として生存するようにプログラムされているのです。できれば自然のなかで運動をすることで、それらの脳の働きにスイッチが入るのです。
週3回以上、30分程度、息が少し上がる程度の運動習慣
脳に関するベストセラー作家で、スウェーデンの精神科医であるアンデシュ・ハンセンによると、週3回以上、30分程度、息が少し上がる程度の運動習慣をつけることが大切とのことです。
先程の研究チームによる海馬の成長を確認した持久力系運動も、実際には週3回、40分早歩きで歩いただけでした。運動によって海馬だけでなくストレス反応を抑制する前頭葉も強化され、ストレス反応が減るのです。
また、運動は、アイデアの着想を得ることにも効果があります。
思考にはアイデアや発想を広げる発散型と、それらを抽象概念等でまとめていく収束型がありますが、有酸素運動は海馬が拡張するため、発散型思考力のほうは運動で強化されるとされています。
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