ここで同社のキャッシュ・フローの状況を見てみよう。
《前第2四半期→当第2四半期》
なお、念のために説明しておけば各項目は次のとおりだ。
●営業活動によるキャッシュ・フロー:本業で増えた分のキャッシュを指す。つまり、プラスが当然で、マイナスは本業をやることでお金が減っていることになる。
●投資活動によるキャッシュ・フロー:投資などで設備等を導入するとマイナスになり、マイナスになるのはおかしくはない。逆にプラスになるケースは、有価証券や設備を売却している事実を意味する。
●財務活動によるキャッシュ・フロー:マイナスになるのは負債を返済している状態を指す。逆に、借金をして負債を増やして成長の礎を確保する際にはプラスになる。
なお、結果として、同社のキャッシュ残高は、22億7000万円から14億3300万円になっている。一方、BSを見ると、「1年内返済予定の長期借入金」は89億2400万円(8924百万円)だ。
ここからも、従業員らへの冬のボーナスの支給を取りやめた“苦しい”背景が読み解けるかもしれない。
全方位型の改革を進めている
現在、日本ならびに世界では新型コロナが収束を迎えつつあり、人々の行動も2019年以前に戻りつつある。しかし、ファッションのトレンドは従来と同じではなく、同社の売り上げはじりじりと下がり続けている。
同社は2023年3月より、「サマンサタバサ・リボーン計画」として全方位型の改革を進めている。2024年2月期まではリカバリー期で、翌2025年2月期まではグロース期と位置づけて、ブランド力の総見直しを図ろうとしてきた(ここでどのような施策かを説明したいところだが、一言でいうと「事業活動のすべてを見直す」ということになる。同社のホームページにも説明資料があるので参照のこと)。
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