上場廃止のスノーピーク「純利益99%減」の背景 在庫が余りすぎて安全性は「危険水域」へ
コロナ禍でのキャンプブームを追い風に急成長したスノーピーク。
しかしブームが「ピークアウト」してから、業績は急激に悪化。2023年12月期決算では「純利益99.9%減」という衝撃的な現状を発表し、2024年7月には上場廃止となりました。
同社になにがあったのでしょうか。決算資料を読むと、「ブーム終焉」以外の理由がみえてきました。
佐伯良隆著『100分でわかる! 決算書「分析」超入門 2025』より一部抜粋・編集してお届けします。
純利益は赤字寸前! ベースアップが利益を圧迫?
スノーピークは、1958年に新潟県で金物問屋として創業。その後、国内有数のアウトドア総合メーカーに成長し、近年はコロナ禍での3密回避から起きたアウトドアブームで高い注目を集めました。
損益計算書をみると、コロナが流行した2020~2022年にかけて、同社の売上は1.8倍に拡大。ところが当期(2023年12月期)の売上は、前期から16.4%減の257億円と、運動量が一昨年並みまで低下しています。
決算説明資料で国内売上の推移を確認すると、月商は2022年7月から前期を下回り始め、2023年は1月を除いて軒並み低下しています。ここから、アウトドアブームにより高まったキャンプ用品特需の反動減が、2022年の夏頃から訪れていたことが読み取れます。
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