コレステロール値「高めを放置」する人の怖い真実 専門医が解説「医学的根拠に基づく5つの対策」

✎ 1〜 ✎ 93 ✎ 94 ✎ 95 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

1992年から1999年までの間、定期的にコレステロール値の検査を実施し、全死亡率、冠動脈疾患の発症率、心臓突然死の発症率などを追跡した。その後、承認を得た1万9805人に対しては、さらに期間を延長して4年間の追跡調査を継続した。

研究結果でわかったこととは?

6年間の追跡の結果は以下だった。

★総コレステロール値240mg/dL以上、LDLコレステロール値180mg/dL以上、HDLコレステロール値40mg/dL未満のグループで、冠動脈疾患や心臓突然死の危険性が増した。

★総コレステロール値180mg/dL未満、LDLコレステロール値80mg/dL未満のグループでも死亡率が高くなった。特にLDLコレステロール値80mg/dL未満のグループではがんによる死亡率が高かった。

10年間の追跡では、次のようになった。

★総コレステロール値240mg/dL、LDLコレステロール値140mg/dL以上、HDLコレステロール値40mg/dL未満のグループで、冠動脈疾患や心臓突然死の危険性が増し、主要冠動脈疾患の発症は、年間で1万分の9だった。

問題視されていた副作用の発生率は1.46%で、重大な副作用である横紋筋融解症(骨格筋を作る細胞が溶けたり壊死したりする症状)はなかった。

Japan Lipid Intervention Trial(J-LIT), a Follow-up Study of Simvastatin-Treatment Performed in Japan

The original article gave relative risk for each cause of death. Here the relative risk multiplied by the mortality for each cause is shown to visualize the contribution of each cause to all-cause mortality. It should be noted that this subject population included FH at 12-fold greater incidence than in general population (0.2%).

これらの結果に基づき、以下が定義された。

★総コレステロール値220mg/dLは高脂血症(脂質異常症)。

★発症予防では、総コレステロール値240mg/dL以下、LDLコレステロール値160mg/dL以下、HDLコレステロール値40mg/dL以上を治療目標とする。

★再発予防では、LDLコレステロール値120mg/dL以下、HDLコレステロール値40mg/dL以上を治療目標とする。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事