1992年から1999年までの間、定期的にコレステロール値の検査を実施し、全死亡率、冠動脈疾患の発症率、心臓突然死の発症率などを追跡した。その後、承認を得た1万9805人に対しては、さらに期間を延長して4年間の追跡調査を継続した。
研究結果でわかったこととは?
6年間の追跡の結果は以下だった。
★総コレステロール値240mg/dL以上、LDLコレステロール値180mg/dL以上、HDLコレステロール値40mg/dL未満のグループで、冠動脈疾患や心臓突然死の危険性が増した。
★総コレステロール値180mg/dL未満、LDLコレステロール値80mg/dL未満のグループでも死亡率が高くなった。特にLDLコレステロール値80mg/dL未満のグループではがんによる死亡率が高かった。
10年間の追跡では、次のようになった。
★総コレステロール値240mg/dL、LDLコレステロール値140mg/dL以上、HDLコレステロール値40mg/dL未満のグループで、冠動脈疾患や心臓突然死の危険性が増し、主要冠動脈疾患の発症は、年間で1万分の9だった。
問題視されていた副作用の発生率は1.46%で、重大な副作用である横紋筋融解症(骨格筋を作る細胞が溶けたり壊死したりする症状)はなかった。
これらの結果に基づき、以下が定義された。
★総コレステロール値220mg/dLは高脂血症(脂質異常症)。
★発症予防では、総コレステロール値240mg/dL以下、LDLコレステロール値160mg/dL以下、HDLコレステロール値40mg/dL以上を治療目標とする。
★再発予防では、LDLコレステロール値120mg/dL以下、HDLコレステロール値40mg/dL以上を治療目標とする。
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