コレステロール値「高めを放置」する人の怖い真実 専門医が解説「医学的根拠に基づく5つの対策」

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★LDLコレステロール値は運動では下がらない

残念ながら、LDLコレステロール値は運動しても下がらない。ただし、運動は中性脂肪を減らし、HDLコレステロールを増やすことが認められているので、動脈硬化予防の観点からも運動は推奨される。

★HDLコレステロールを増やすのは運動

動脈硬化予防につながるため、HDLコレステロール値は上げたほうがいい。値を上げるのは禁煙、運動、ダイエット。運動はアスリートのような激しい運動は逆効果で、ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動が効果的。ウォーキングは1日4000〜7500歩が推奨されている。

HDLコレステロールを増やす食品はなく、薬でも増やすことはできない。

★HDLコレステロールとLDLコレステロールの対策は別々に考えるべき

HDLコレステロール値が上がってもLDLコレステロール値が連動して下がることはないため。別々にとらえたほうがいい。

「これだけやればOK」という対策はない

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近年、これだけやればオールマイティと喧伝する健康法が跋扈している。しかし、「AによくてもB、Cに効果的とは限らない」と寺本さんは重ねて強調する。

「その最たるものが『糖質ダイエット』です。糖質オフに努め、肉でタンパク質を摂るべきだといいます。ただ、この方法は肥満や高血糖の人には効果的ですが、コレステロール値が高い人には意味がありません」

病気によって守るべきこと、実践すべきことは異なる。これをよく認識し、自分の病気や症状にあった対策を、医師とよく相談したうえで行うことが大切だ。健康を維持していくためには、誤った情報を見抜き、正しい情報を選び取る“患者力”を身につけたい。

(取材・文/伊波達也)

寺本内科・歯科クリニック院長
寺本民生医師
1973年、東京大学医学部卒業。茨城県日立市日立総合病院、小平記念東京日立病院内科を経て、1976年、東京大学医学部附属病院第一内科医員。1980年、アメリカシカゴ大学留学。1990年、同医局長。1991年、帝京大学第一内科助教授。1997年、帝京大学内科教授。2001年、同主任教授。2010年、同医学部長。2013年、同臨床研究センター長。2013年より現職。日本医学会副会長、日本動脈硬化学会名誉会員、その他数々の学会の評議員、理事を歴任。『コレステロール値が高いと言われたら読む本(早わかり健康ガイド)』他、著書多数。
東洋経済オンライン医療取材チーム 記者・ライター

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