仕事依頼に「なぜやるのか?」とすぐ聞く人は損だ 「意味わからない」といつも言う人に足りない能力

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抽象化スキルが低いと3つの問題を抱える。

1、やらされ感を覚える
2、仕事の質が落ちる
3、評価されない

誰だって意味のわからない仕事を依頼されたら、やる気は起こらないだろう。突然上司から呼び出されて、

「この業界データをチェックして、分析してくれ」

と言われたら、

「何のために?」

と聞きたくなる。何らかの理由があるのかもしれないが、それが伝わらないと「やらされ感」を覚える。仕事に集中できず、やる気も出ない。

目的が不明なら、当然仕事の質は落ちる。質の低い仕事をすれば上司からは、

「誰がこんな分析しろと言った?」

「わかってないなぁ」

と苦言を呈されるだろう。評価もされなくなる。お客様はそんな風に指摘しないだろうが、期待通りにやってくれないと、

「この人は、わかってない」

と烙印を押されるはずだ。

目的や真意をキチンと教えてくれる人は少ない

先ほどもお伝えしたとおり、仕事を依頼した本人が、目的をわかりやすく解説してくれるのがベストである。

しかし、丁寧に目的まで添えて仕事を依頼する人は少ない。お客様も同様だ。何が目的で頼んでいるか、本人がわかっていないことさえある。

だから依頼された側が、その仕事の目的を推察するのだ。そのために使えるのが抽象化スキルである。

抽象化スキルとは、具体的な詳細から、より上位の概念を推察することだ。「葉っぱ」や「枝」といった部分を見て樹全体をイメージすることに似ている。

この抽象化スキルを使うことで、複雑な問題をよりシンプルで理解しやすい形に整理できる。

私の息子の話をしよう。

息子が幼いころ、いろいろな映画を観せたが、最も気に入っていたのは『ジュラシック・パーク』と『ジョーズ』だった。『スター・ウォーズ』や『アイアンマン』などはそれほど夢中にならなかった。

ティラノサウルスやホホジロザメを好んで絵に描いた。妻は「狂暴で強いのが好きなのだろうか」と驚いていた。

小学校に入ると車に夢中になった。とくに気に入っていたのはメルセデス・ベンツだ。しかもSクラスやマイバッハといった大きな車が好きだった。フェラーリやポルシェといったスポーツカーには、まったく興味を示さなかった。

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