四季報元編集長だけが知る"お宝銘柄"の探し方 新NISAが始まる前に必ず押さえておきたい

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今後、景気が安定し利下げが視野に入ってくると、中期的な株価上昇の期待値が上昇し、PERの水準が切り上がる株価上昇が始まるだろう。

そうなるとPERが低水準の銘柄が物色される。一方、指標やチャートから見て割高な銘柄は避ける必要がある。

四季報ではチャートの隣の株価指標欄に実績PERの過去3期の高値平均・安値平均を掲載している。この高値と安値の間は、魚に例えるなら「生息域」。業績は好調なのにPER安値付近〜以下の銘柄は、注目される可能性が高い。

また実績PERの高値平均が20倍、安値平均が10倍の銘柄を保有し、仮に20倍を超える局面が到来したら、いったん利益確定するのも一法だ。

株価指標欄の予想PERは今期に加え来期にも注目したい。

今期に比べ来期が大きく低下しているなら要注目だ。現状の株価は来期業績の好調を織り込んでいないと考えられ、お宝銘柄発掘の契機になるだろう。

有望株を割安なタイミングで買う

PERは割安・割高だけではなく、市場の人気を測る指標でもある。

売り上げ規模が同程度の機械メーカーを並べて、片方はグローバル展開でもう片方は国内一本足打法だと、世界的な好景気で一気に売り上げを伸ばす前者のほうが人気となりPERに開きが生じる。同業でもマーケットが違えばPERの生息域も異なる。その点には注意したい。

PERも一定ではなく、新規事業がヒットし営業利益率が改善すると15倍が20倍になることもある。ただ、大抵は高値・安値の間で推移するため、変化を見逃さないようにしたい。

注意点は、つねにPERが低い万年割安銘柄を買うのではなく、有望株を株価が低いタイミングで買うということ。先ほど述べた生息域を意識し、ポテンシャルを確かめたうえで低いときに買うのがポイントだ。

四季報誌面に落とし込むと、記事の右側の業績欄、左側の材料欄に分かれるが、PERは人気や将来的な期待値の表れだ。そこで材料欄に注目したい。PERが上がる材料を見極めるのが、お宝銘柄発掘への近道でもある。

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