四季報元編集長だけが知る"お宝銘柄"の探し方 新NISAが始まる前に必ず押さえておきたい

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株式分割銘柄に注目

足元で市場の関心が高いのは、半導体セクターだ。

東京エレクトロンは上方修正を発表し、減益幅が縮小したことで一時上場来高値を更新し、SCREENホールディングスも高値を更新中だ。AIの本格的な普及が予想され、次の半導体サイクルのピーク時需要は過去最高になるといわれ、多くの投資家が興味を持っている。製造装置を手がけるディスコを筆頭に関連銘柄は幅広くあるので、綿密に調べていくことだ。

新春号が発売され年が明けると新NISA(少額投資非課税制度)が始まるので、今から最低購入額にも注目したい。

50万円以上の銘柄は、個人投資家を意識し株式分割するかもしれない。東証は5万円から50万円の間に収めるよう指導しており、NTTは6月末に25分割した。今では2万円弱で単元株を購入でき、株価も悪くない。

とくに消費者向けの企業は個人投資家を意識せざるをえない。ローソンやしまむらなど、値ガサ株はたくさんある。投資家層の拡大を目的に、株式分割をする企業は今後も増えるだろう。

配当も新NISAの開始に伴い個人投資家から注目されやすい。

4%の高利回りの銘柄はもちろん、長期にわたり減配せず配当を維持・増配している「累進配当株」や、毎期増配を続ける「連続増配株」が狙い目。山陰合同銀行は24年3月期から累進配当を導入すると発表しているが、こうした銘柄は、株価が下がったところで拾いたい。

新NISAは、若年層や女性を呼び込む新たな契機になる。食品、外食など生活に身近だったり、知名度の高い銘柄が買われやすくなるはずだ。オービックなど業績が下がらない高収益企業も、安心感から人気を博すだろう。

一方、値上げ効果で今期好調な企業には要注意。インフレが落ち着き資源価格が下がり値下げに転じると業績も下降する。うかつに飛びついてはいけない。

(構成:大正谷成晴)

山本 隆行 『会社四季報』元編集長

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やまもと・たかゆき / Takayuki Yamamoto

早稲田大学法学部卒。『週刊東洋経済』編集部に通算10年所属していたこともあるが、記者、編集者としての人生の大半を切った張ったのマーケット中心にささげてきた。『オール投資』『会社四季報』編集長、四季報オンライン編集長を歴任。著書に『伝説の編集長が教える 会社四季報はココだけ見て得する株だけ買えばいい』。

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