「伝説の編集長」がこっそり教えるお宝銘柄発掘術 四季報秋号は1年4冊の中で最も「お買い得!」
9月15日発売の『会社四季報』秋号は、次の3月期決算に向けて4分の1周しか走っていないタイミングで発刊される。だからこそ四季報記者の分析・予想には目を見張るものがある。予想を夏号とはガラッと変えるなど、思い切って書く内容には一読の価値があり、そういった銘柄に注目したい。
会社側の予想も注目のポイントだ。例えば、第1四半期に通期予想を上方修正した会社は、よほど自信があると考えられる。ちなみに、東洋経済集計の過去15年間のデータでは、3月期決算の会社のうち、第1四半期決算直前・同時に増額するのは全体の約5%。その約半分が第2四半期でも増額している。
企業の増額予想にも注目
秋号で増額した会社は、その後も伸びが期待できるということだ。ただ、コロナ禍でマスクが売れた、コロナ後の交通需要の戻りで業績が急回復したなど、背景はさまざまで、また会社ごとに違う。内容を吟味する必要はあるが、自ら上方修正した会社は秋号でチェックの対象になる。
例えば、ブルドックソースは上方修正をしているが、これは償却費を見直したことが主因で、株価はほぼ無反応だった。一方、インターホン業界トップのアイホンは、海外での在庫不足が解消され製品が出回るようになったことに伴い上方修正をしている。このため株価も大きく伸びた。デンソーも増額を発表したが、これは為替が円安にシフトし、自助努力ではない側面があり、株価の伸びもそこそこ。業務用食品の卸を手がける尾家産業はインバウンド需要の増加やPB商品の拡充、ヘルスケア事業の好調が増額の理由で、株価は急伸した。評価するとしたら、ブルドックソースは×、アイホンと尾家産業は〇、デンソーは△といったところ。増額の内容を深掘りすると第2四半期の増額を予想しやすい。
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