「伝説の編集長」がこっそり教えるお宝銘柄発掘術 四季報秋号は1年4冊の中で最も「お買い得!」

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株価はPERと1株利益の掛け算(=PER×1株利益)で、1株利益が上方修正されれば株価も上昇する。1株利益がなぜ増えているのかを吟味することが肝心だ。経費削減だと限界はあるが、売り上げ増なら継続的な株価の上昇を推測できる。割安修正された株価は、利益確定売りによりいったん下落するが、再び増額となれば再上昇を開始する。秋号で増額銘柄を選別しておくと、第2四半期の再増額の波に乗りやすい。

現状は決算プレーが終わり材料が出尽くし、利益確定もあるので夏枯れ相場が続いていて、日経平均株価自体も横ばいの状態だ。よく見ると中には、面白い増額なのに、全体相場がよくないので織り込み切れていない銘柄もある。

ところが、秋以降に上方修正が公表されてくると、一気に取り戻す可能性がある。今から、そういった銘柄を見つけてほしい。

一方、会社側は予想を据え置いたままだが、先に述べたように四季報記者が独自に増額を予想し、秋号の発売と同時に株価が動意づくこともある。いわゆる「四季報銘柄」であり、こうした銘柄を探すのも面白い。

四季報が事前に独自予想したことで、第1四半期ではあえて見送ったが、第2四半期決算時に、これでもかというほど大幅上方修正を発表する会社もある。秋号発売後は株価に動きが見られなくても、このタイミングに向けて事前に仕込んでおくのも手だ。

2つの増額銘柄は狙い目

秋号で会社・四季報記者がともに増額を示したパターンも要注目だ。第1四半期の結果を受けて会社側が上方修正し、記者がさらに上乗せをした超強気の銘柄だ。かなりパフォーマンスがよい。

3月期決算会社で「上矢印(↑)」「ニコちゃんマーク」の両方がついている銘柄がこれに当たる。例えば、会社が期初100億円の営業利益予想を出し、第1四半期の段階で120億円に修正、四季報は秋号で150億円と予想した場合など。年間を通じて上昇が期待できる。昨年はヤクルト本社旭有機材がそうだった。

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