よい仕事を褒めて評価する際は、2つのステップで行おう。まず、賞賛に値する行動、態度、業績を具体的に伝える。たとえば、「製品カタログの表紙のデザイン、とてもいい仕上がりでしたね」というように。
そのうえで、なぜその仕事が評価に値するのか、仕事の影響や貢献について話そう。「新しいデザインのおかげで確実に売上が伸びそうです」などと伝えるわけだ。
適切に褒めることの効果について、話をしておこう。あるマネジメント研修で、30人の参加者に、以下の2つの質問をした。
ほとんどの回答が、自分なりによい仕事ができたときに受けた評価(反発したものも含めて)に関連していた。それは当然のことだろうが、そこには驚くほど強い感情が伴っていた。
仕事をする上で重要なのは「給与」ではなく…
鮮烈に印象に残った例を挙げよう。ある若い男性が話してくれたのは、重大な修理のために、80キロ以上トラックを運転して郊外の施設に行く依頼を受けた際のことだった。
午後10時半にやっと帰宅すると、電話が鳴った。上司からだった。
「無事に帰れたかを確認したくて。天候が悪かったから」
修理業務については何も訊ねなかったのだが、これは部下の技術に全幅の信頼をおいていたからだろう。ただ無事に帰宅できたかを確認したのだった。
これは5年以上も前の出来事だったが、若い技術者はつい最近のことのように鮮明に記憶していた。
アメリカの大手企業が従業員を対象に行った調査に、「仕事をするうえで何が重要か」を順位付けさせる設問があった。「給与」は6位であり、2位以下に大差をつけて1位となったのは「自分の仕事が評価されること」であった。
あなたが上司に感謝してほしいと思うならば、部下も同じことをあなたに求めている。褒めるときには、出し惜しみしないこと。コスト負担はまったく発生しないし、金銭よりずっと価値があるのだから。
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