1つめは、「環境負荷を下げるために必要なコスト」が大きいことです。
カーボンニュートラルをはじめとするサステナビリティ対応を成し遂げるには、多くの人的リソースとマネーが必要です。
たとえば、自社の環境負荷を製品単位で可視化し、CO2排出量や水使用量など、それぞれの削減計画を立て、アクションプランに落とし込み、実行していくためには、大変な労力がかかります。実際グローバルSPAの大手では、それらを担う組織に数十人単位の人員を割いています。
現実問題として、このような投資を行える企業は一部に限られます。
「成長が見込めない状況」で起こることは…
2つめは、市場成長が止まる中で、企業間競争の激化が進むことです。
コロナ禍を経て、アパレル市場は名目ベースでは回復基調にあるように見えますが、インフレの影響を除く実質ベースでは、コロナ禍以前の状況には回復しておらず、成長はあまり見込めない状況です。
伸び悩む市場では、企業の成長は限られたパイの奪い合いにより達成され、レッドオーシャン化が進みます。必然的にM&Aや企業の合従連衡も進むでしょう。
このような中、ニッチ戦略をとることで中小アパレルが生き残る戦略も考えられますが、一定の規模がある中堅企業ほど、競争激化の影響を受けやすい構図になります。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら