維新に合流も?「前原新党」の多難すぎる行く末 「政党交付金狙い」の批判、国民民主は除名処分へ
現在の政党交付金制度は1995年にスタート。度重なる汚職事件への反省から、税金で政治活動を支える一方、使途の報告などを義務付けた。ちなみに、これまで年末に誕生した主な政党は、2012年12月に日本未来の党を党名変更する形で小沢一郎衆院議員らが結成した「生活の党」、2013年12月に当時のみんなの党を除籍(除名)された江田憲司衆院議員らが結成した「結いの党」――などだが、いずれも長続きしなかったのが実態。
そこで注目されるのが今回の「前原新党」結党の狙いだ。前原氏といえば、「何度も政治的不運に見舞われる一方、肝心な時に判断を誤ってきた」(立憲民主幹部)との評価が定着している有力政治家とされる。
その過去を振り返ると、民主党代表時代の2006年には、同党議員が自民党追及の証拠として国会質疑で取り上げたが、偽りが判明したいわゆる「偽メール事件」で引責辞任に追い込まれた。
また2011年の菅直人内閣の外相時代には、外国人から政治献金を受け取ったことが発覚、辞任を余儀なくされ、民進党代表だった2017年秋には、小池百合子都知事率いる「希望の党」との合流に失敗して代表を辞任した。
「言うだけ番長」61歳、最後の勝負にも
こうした過去から、前原氏を揶揄する“通称”となったのが「言うだけ番長」。だからこそ、今回の前原氏の決断にも「さまざまな疑問や批判が降り注ぐ」(国民民主幹部)のだ。ただ、若くして政党トップを経験してきた前原氏もすでに61歳。このため、周辺からも「今回が最後の勝負で、失敗すればジ・エンド」(側近)との声が漏れてくる。
前原氏は11月30日の記者会見で「自民党、公明党とワンイシューで協力する政党ではなく、政策本位で『非自民・非共産』の野党協力、野党結集を進め、政権交代の選択肢をつくることが、われわれに課された責務だ」と力説し、ガソリン税を一部軽減するトリガー条項の凍結解除で自公政権と連携しようとしている玉木氏を批判した。
ただ、前原氏は9月の党代表選でも同様の主張をしたうえで、玉木氏に惨敗しており、玉木氏周辺は「何を今さら……」と冷笑する。このため、「玉木氏への批判を隠れ蓑に、次期衆院選では日本維新の会への合流を狙っている」(国民民主若手)との声も相次ぎ、維新の馬場伸幸代表が、前原氏に先行する形で新党名を披露し、連携に意欲を示したことがそれを裏書きした格好でもある。
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