京都や富士山で「観光公害」マナー違反の深刻実態 自然環境保全が困難、世界遺産登録抹消の危機感

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富士山 オーバーツーリズム インバウンド
富士山では多数の登山者が訪れて問題が起きている(写真:時事)

訪日外国人(インバウンド)の戻りが急加速している。今年7月までの訪日外客数は1303万人となり、コロナ前2019年同期間の3分の2の水準にまで回復した。

その一方で日本各地の観光地でオーバーツーリズム(観光公害)が問題化。ツーリストの迷惑行為、事故、そして市民生活や環境、観光資源への悪影響が続出している。

京都市内の宿泊者の半数超が外国人観光客

コロナ前の2019年には年間886万人の外国人観光客が訪れていた京都市。同市の今年6月の主要ホテルの客室稼働率は72.2%に達した。延べ宿泊者数に占める外国人比率は51.2%となり、コロナ前の2019年6月の55.2%に近い水準まで戻してきている。

そこで問題になっているのが交通インフラの大混雑だ。観光名所に向かう市バスは大混雑で市民が乗れないことも。コロナ禍の際に乗務員が去った影響でタクシー業界は人手不足のため営業できる車が限られ、慢性的な空車不足状態が続く。京都駅から嵐山地区へ向かうJR嵯峨野線も外国人客で大混雑し、朝の通勤ラッシュ並みだ。JR西日本は今後、観光シーズンの9月シルバーウィークなどに臨時列車の運行や車両増結を行うという。

夜になると多国籍の外国人客が訪れる東京の新宿ゴールデン街では、歩きたばこ・路上飲み、放尿といった迷惑行為が報告されている。かつては日本特有の「お通し」やチャージ料をめぐるトラブルが頻発し、最近は提供しない店も増えたそうだ。

新宿ゴールデン街商店街振興組合のサイト上には、日本語と英語で路上喫煙禁止、歩き飲酒禁止、裏路地での立小便禁止などをお願い。さらに「大人数での来店は避ける」「入店前に料金システムを確認する」といった飲み方をレクチャーしている。

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