維新に合流も?「前原新党」の多難すぎる行く末 「政党交付金狙い」の批判、国民民主は除名処分へ
国民民主党の前原誠司代表代行が11月30日、離党と新党「教育無償化を実現する会」の結成を表明したことが、野党再編問題とも絡んで政界に複雑な波紋を広げている。
この「前原新党」は、国民民主の4衆院議員に嘉田由紀子参院議員を加えた5人の国会議員で構成される見通し。その場合、政党助成法の条件を満たし、来年1月1日の政党交付金算定基準日までに結党すれば、その年の政党交付金を受け取れる。このため、「今回の前原新党は露骨な交付金目当て」(自民長老)との批判も広がる。
前原氏は今年9月の国民民主代表選で玉木雄一郎代表と争ったが、大差で敗北し、挙党体制の名目で代表代行に就任していた。このため、玉木氏ら国民民主執行部は同党から新党に参加表明した5議員について、除名処分としたうえで、比例代表当選者については議員辞職を求める方針だ。その一方で、ここにきての党分裂は、次期衆院選後の「自公国連立」も視野に入れているとされる玉木氏にとって手痛い打撃となる。
来年1月1日までの結党で「1億円超」の交付金
政党助成法に基づけば①所属国会議員が5人以上②国会議員が1人以上で、直近の衆院選か過去2回の参院選のいずれかで得票率2%以上――のどちらかを満たした政治団体は政党交付金を受け取れる。
同交付金は、総額約315億円(国民1人当たり250円)で、対象政治団体の所属議員数や得票率などに応じて、毎年分配される。2023年は、交付金を受け取っていない共産党を除き、9政党に約2億~159億円が支給され、今回の「前原新党」が来年1月1日までに結党すれば、2024年の1年間で1億円超が支給される見通しだ。
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