2つ目は、道路運送法78条2号で規定されている、自家用有償旅客運送についての規制緩和、および同3号の改正だ。
自家用有償旅客運送については、筆者も関わっている福井県永平寺町の事例などを参考にしていただきたい。
そして3つ目が、道路運送法とは別の新法における、日本版ライドシェア制定にかかわる議論である。
神奈川県がライドシェアを進める背景
こうした国の議論と並行して、神奈川県と大阪府が独自にライドシェアに関する検討チームを立ち上げ、実用化に向けた可能性について検証を進めている。
このうち、神奈川県が2023年10月20日に「第1回 神奈川版ライドシェア検討会議」を開催。その仕組みについて、さまざまなメディアで取り上げられている。
神奈川県政策局自治振興部 地域政策課に確認したところ、神奈川版ライドシェアの発表については「黒岩知事が2023年9月17日の民放テレビ番組に出演して、神奈川版ライドシェア(案)を表明した」との回答だった。
県の定例会見などではなく、黒岩氏の古巣のテレビ局で県の施策を表明することは、一般的に見て、場所や状況として異例という印象を受ける。
同案では、「タクシー会社がアプリを活用して一般ドライバーをマッチングさせるとともに、車両の運行管理や整備管理等を行う」ことを想定しているという。神奈川版ライドシェア発想の背景については、「県内観光地等でタクシー不足を指摘する声がある中、県庁内でライドシェアの検討を始めた」としている。
検討会の今後の方針については、「当面、夜間の時間帯にタクシー不足が生じている三浦市街地において、社会課題の解決に向けて、神奈川版ライドシェアを含め、あらゆる選択肢を視野に入れた検討を行う。今後、市町村やタクシー事業者に応じて、他の地域での検討を行う予定」と県は回答した。
11月20日に実施した同・第2回検討会議では、以下のような案が盛り込まれた。
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