急務に追われると逆にダラダラ時間が増える心理 目標を先送りにしている人が知らない時間管理術

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また、人間の脳は未完のものに意識が行くので、終わってないものがあると目の前のことに集中できなくなってしまいます。だからこそ、優先順位付けは、目標や夢にかけられる時間だけを切り取るのではなく、1日の時間の使い方、特に仕事の時間でも気をつけていかなければなりません。

本稿では、タスクを先送りにせず、時間に追われない優先順位付けの5つのポイントをお伝えします。

優先順位付けの5つのポイント

〈優先順位付けのポイント①〉緊急性と重要性

スティーブン・R・コヴィー博士が『7つの習慣』で提唱した方法は、「緊急性」と「重要度」を軸に、4領域に分けて優先順位を決めていきます。

第一領域:緊急であり、重要であること
 第二領域:緊急ではないが、重要なこと 
 第三領域:緊急であるが、重要でないこと
 第四領域:緊急でもなく、重要でもないこと

書き出したタスクの横に、領域の番号1~4を振ってみましょう。

優先順位を決める軸として、最も優先順位が高いのが第一領域で、順に番号が大きくなるほど優先順位が低くなります。

カギとなるのは第二領域です。

第一領域が重要なのはもちろんですが、毎日この第一領域に追われている状態というのは、つねに時間に追われていることを指します。緊急で重要だからこそ、つねに締切ギリギリで焦っている状態です。

そして、重要なタスクの中で緊急ではなかった第二領域のタスクが、結局は緊急で、重要な第一領域に昇格してしまうのです。これでは、心理的にも負担になります。

また、第一領域に追われていると、反動で第四領域のタスク時間が比例して増えてしまうのです。第四領域とは、SNSや動画などをダラダラ見てしまう時間です。

とある企業研修で、1日の時間をどのように使っているのか書き出してもらうと、「ダラダラと何をしているわけでもない虚無の時間が多い」と気づきのシェアをした方がいました。

その方に確認してみると、ちょうど仕事で「緊急で、重要なこと」に追われている時期で、家に帰ってくると何をする気力もなく、つい何時間もダラダラとSNSを見てしまっていたとのことでした。

第一領域のタスクをこなしていくことは大事ですが、第二領域のタスクも遂行していかなければ、無駄な第四領域の時間が増えてしまいます。したがって、意識して、第二領域のタスクも前倒しで進めていくことが重要です。

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