人気芸人でも敗退、M-1「番狂わせの歴史」の起源 創設者が解き明かす「裏方目線」のM-1誕生秘話

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だが、そんな無理をしなくてもいいほど、彼らの1回戦のネタの出来はすこぶる良かった。終わった瞬間、思わず、「よし!」と声を上げたところ、MCの上戸彩が「いま、ファンの方からも『よし!』という声が上がりましたね」と拾ってくれたのは最高の想い出だ。その年のM-1で、彼らは優勝した。

同年を含め、計4回、決勝戦を会場で見させてもらっている。審査結果に関しては、出場者やファン、観客、そして審査員それぞれに“想い”があるのは皆さんご存じのとおりだ。テレビで見ている人たちと、会場で見ている人たち、そして客席の熱量や笑いの大きさを目の当たりにしている審査員たちとでジャッジが微妙に異なるのは当たり前のこと。

さらに、島田紳助氏の想いを受け継いだダウンタウンの松本人志が何点をつけるのか、どんなコメントを残すのかは、出場者の胸にもっとも刺さる点だと思う。

吉本の劇場に貼られる優勝芸人の写真

11月26日の「ワイドナショー」で今田耕司は「今、吉本(興業の所属タレント)が優勝してないんですよ、何年か。だから生放送、終わって、裏で(吉本の)社員がものすごい空気になってんねん」と言っていた。

受けて、吉本興業所属のオズワルド・伊藤は「僕らが準優勝だったときも(SMA所属の)錦鯉が優勝して、次の日からルミネ(theよしもと)に写真が貼られるんですよ。『目に焼き付けろ』みたいになってる」と。昨年の覇者は爆笑問題が所属するタイタンのウエストランドだった。果たして今年は吉本の巻き返しとなるだろうか。

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